岩手医科大学
歯学部同窓会

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第29回(平成18年5月28日)

歯科領域の新しい画像診断法 -「コーンビームCTからPETまで」

小豆嶋正典先生
小豆嶋 正典 先生

講師:小豆嶋正典先生
(岩手医科大学歯学部 歯科放射線学講座教授)

藤田達夫同窓会長の開会の挨拶の後、少々早く9時55分より座長の歯科放射線学講座東海林講師より小豆嶋教授の紹介から始まりました。
小豆嶋教授のご講演はX線の歴史のお話から始まりました。
次にデンタル、パノラマのデジタル化についてのお話です。デジタルと従来のフィルムとの比較をスライドやムービーを用いて、撮影、スキャン、イメージングまでの様子やグラフや表を使いデジタル化によるメリットを具体的に説明していただきました。
小豆嶋教授によるとデジタルでも現在はイメージングプレート式のほうが使い勝手が勝っているが、将来的にはCCD式が使われるようになると予想するそうです。デジタル化は、鮮明な画像、経費を考えれば将来さらに進歩、普及が予想されます。
次に講演を聴きに来ている人に開業医の先生やスタッフの方々に、身近に役立つ話として、パノラマ断層写真についての話をしてくださいました。よくある失敗とどうすれば診断に役立つパノラマを撮影できるかという話でした。そして、MRI、CTの話ですが、CTは今はインプラントを行う上で不可欠な検査になっています。
そして、従来のファィンビームCTに加え、2000年には歯科用のコンビームCTが発売になったそうです。ご講演ではその2者の比較、特性、利点、欠点についてお話していただきました。また、実際にコンビームCTでの撮影風景、画像等を、大学ではまだ導入されてないとのことで、盛岡市内の守口歯科クリニックで撮影したムービーで説明をされました。守口歯科クリニックでは、他医院からの依頼の撮影も喜んでお受けするそうです。
最後は小豆嶋教授の専門分野PET(ポジトロンエミッショントモグラフィー)のお話でした。
専門的な話を分かりやすくお話いただきました。

小豆嶋正典先生

「使えるパーシャルデンチャー」のために

山森 徹雄 先生
山森 徹雄 先生

講師:山森 徹雄 先生
(奥羽大学歯学部 附属病院教授)

美味なお弁当による昼休みの後、午後の講演は平成17年4月に奥羽大学歯学部附属病院教授に就任された山森徹雄先生です。昭和62年?平成6年まで7年間本学第二補綴学講座で助手をしていましたので、ライターとしてお世話になった先生も多いと思います。誰からも好かれ、尊敬される先生でした。

講演は最初はスライドで奥羽大学の写真による紹介で始まりました。緑に囲まれ、夜は夜景がきれいにみえる素敵な環境の大学病院に見えました。

今回のこの「使えるパーシャルデンチャー」のために、というテーマは学術研修部会の会議のときに、インプラントや審美などのトレンドな内容ではなく、日々の臨床で役に立つことを…、パーシャルデンチャーで困ることがあるのでその解決策を…、ということで、こちらからのリクエストでこのようなテーマになりました。

講演はパーシャルデンチャーの適応についてのお話からでした。奥羽大学附属病院にはインプラントを希望して来院する方も少なくないようです。しかし、上顎大臼歯部においては80パーセントがインプラントの適応ではなくパーシャルデンチャーになるそうです。部分欠損はインプラントが理想のような気もしますが、まだまだパーシャルデンチャーの出番は続くと思われます。また、パーシャルデンチャーは患者さんが自分ではずし細かいところまで見られるということで患者さんも評価しやすいという面もあります。

パーシャルデンチャーはなぜ難しいのか?という理由を、山森先生は8つの要点で教えてくださいました。そして、「機能時における義歯の動揺の最小化」ということが一番大切であるそうです。そのためにどうすれば良いかと言うことを、印象採得のポイント、咬合採得のポイント、レストの配置などを具体的に教えていただきました。概形印象のときもうまくいかないときはうまくいかない…、そのような疑問にアドバ
イスをもらうようなわかりやすい講演でした。

また、先生が韓国の補綴学会にご出席された際のスライドも見せていただきました。
今後日本にも輸入されるであろうという低価格のインプラントなどもありました。そして、ソウルに行ったら、「スージェービー(韓国風すいとん)」という料理をぜひ食べてみてください。ということでした。

(学術研修部会 22期 白倉義之)

山森 徹雄 先生