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審美修復の臨床基準とその臨床応用
講師:小濱 忠一先生
(福島県いわき市開業)
午前の部
従来の修復治療は生活歯はラミネートベニアで、失活歯はメタルコア+メタルセラミックが常識でした。2000年以降は失活歯であっても、ラミネートベニア、オールセラミックに変化しつつあります。それを可能にしたのが、象牙質接着技術やファイバーコア、CAD/CANなどです。
午前の部では、最新マテリアルの選択とその取り扱い方法について、解説していただきました。さらに、ツインストロボに対するこだわりや最終支台歯形成の時期など、天然歯のクラウン・ブリッジの基本的な留意事項についてもお話をいただきました。
午後の部
咬筋で100の力をかけた場合、臼歯部で70%、前歯部で30%の負担をします。
インプラントはそれだけの負担を支えるものでなくてはなりません。そのバイオメカニクスとして1.咬合力の分散率 2.下顎骨体のたわみ 3.被圧変位置が重要です。
午後の部の前半はそれらを考慮した機能的咬合面形態などについて、インプラント全般について、お話いただきました。アメリカでは根管治療費とインプラントの費用があまり変わらないそうです。費用が変わらないので、より早く予知性の高いインプラントに患者のニーズがシフトしているとのことでした。そして、インプラントは外科的な成功だけではなく、天然歯の修復治療と同レベルの審美的成功が必要とされています。
インプラント修復治療を成功に導くために考慮すべき事項として1.補綴主導型インプラント治療の実際2.インプラント審美修復の可能性と限界についてビデオ映像を交えて、お話いただきました。
昨年秋の学術研修会の講師、山崎 長郎先生の原宿デンタルオフィスでは「物を見る目を養った」そうです。局部だけを見るのではなく、全体を見て、ゴールをしっかり見極めたうえで問題点に対処することが重要だそうです。
大変すばらしい症例写真の陰には、とても多くの治療ステップが隠されていることがわかり、非常に有意義な1日でした。
(学術研修部会:古町瑞郎)